組織が成長し続けるためには、システム(制度)の完成度や、業績に直結する強み(コアコンピタンス)なども重要ですが、根源的には、組織内に存在する”個々のつながり力”や”継続力”といった「組織が組織であり続けるための力」が求められます。

そのために、弊社がESを軸とした組織開発を行う場合、大切にしているのが、『はたらく場デザイン論』です。

 

『はたらく場デザイン論』とは、弊社のこの十数年のES組織づくりコンサルティングの経験値やノウハウに、日々力強く経営をしている中小企業の差長さんたちの経営哲学を盛り込み、体系立てた理論です。柱となる「4つの思考」と、それを実践するための「7つの道具」から構成されます。

ここでいう「はたらく場」とは、職場に限らず企業全体、地域など多様な”はたらく(働き方)”が存在する組織(コミュニティ)を指し、『デザイン』とは、より良いかたち・状態になるように組み立てたり組み合わせたりすることを指します。

つまり、”はたらく場”である組織の状態をより良い形にデザインするための理論、ということです。

 

まず、柱となる思考(視点)である『志』『場』『人事』『らしさ』の4つについてお話していきます。

●『志』は、経営理念やビジョンといった”おもい”に関すること。

●『場』は、個々の対話の場や機会に関すること。

●『人事』は、制度やルールに関すること。

●『らしさ』は、企業ブランディングに関すること。

 

たとえば、組織に理念やビジョンが浸透していないという課題が発生しているなら、『志』の項目を見てみます。すると、周囲には『クレド』や『コミュニティウェイ』という道具が隣接していますので、その2つの道具を使うと問題をスムーズに解決することが出来ます。

どのような組織でも変化し続けていますから、その時その状況に応じて課題が生じ、その解決のために対応する必要がありますが、この「はたらく場デザイン論」を用いて、その状態の時にどのような施策が必要なのか一目で分かり、課題解決に注力することができます。

 

実際にあった事例をご紹介しましょう。

新規事業を6年前に立ち上げたある会社では、就業規則や人事制度など人事のしくみも整え順調に売り上げを伸ばしていました。全国各地に拠点も増えていきましたが、組織の急激な成長と共に、社内には動揺と混乱が広がっていました。

「これからうちの会社がどのような方向に向かおうとしているのかが分からない」「その中で私たちの将来はどうなるのだろうか?」「ずっと働き続けることができるのだろうか?」という声がミーティングのときにチラホラ聞こえるようになってきたのです。

 

弊社では、この組織で問題になっているのは、未来に向けて進むべき方向性を示すビジョンという『志』が社員に伝わっていないという点、そして、経営側と社員、あるいは社員同士の間の意思疎通の『場』がないという点、であると判断し、”7つ道具”の中でも「クレド」導入と「対話の場」づくりのための施策を推し進めました。

 

このように、組織に起きている状態を正しく現状把握し、あるべき組織の状態とのギャップが見えてくれば、解決のための道筋を描くことができます。その道筋が、『はたらく場デザイン論』なのです。