人事考課に時間をかけるより、自分ごと、みんなごと、世の中ごと


 

これからの会社のあり方は、お金でも地位でもなく、自分らしさというのがあるかもしれない。しかし、自分らしさというものは、自由に作ってもいいけれど、逆に言えばお金も昇進も地位も名誉も望まないのであれば、自分らしさを作らなきゃいけない、しんどい時代になりました。会社の中で学習をして、自分ごと、みんなごと、世の中ごとを回していく必要があります。世の中はいま、良い会社にならなければなかなか売り上げが上がっていきません。良い会社か悪い会社かは、瞬時にわかります。なぜなら、すぐにSNSで広まっていくからです。例えば、私が中途半端なことをやっていたとしても、すぐにそれは周りに広まっていきます。「この人の言っていることは嘘だよ、だって全然違うことやっているもん」と、拡散されてしまうのです。

ある意味、「世間」というものがまた出現しました。今までは個人主義で、個人で儲かればいい。だましても、儲ければいい。でも今は、そんなのはすぐにバレてしまいます。昔の、「お天道様が見ている」という時代に近づいてきています。なので、今は世の中を幸せにしていこう、世の中のためにできることはないかな、という共通点を持たなければ生き残っていけず、持続できない時代になっています。そのためにも、自分ごと、みんなごと、そして世の中ごとまでにおもいを高めていくような会社にしていかなければいけません。

会社というのはお金を儲けるためだけにあるわけではなく、もっと別の機能があって、自分自身の成長や、自分ごと、みんなごとで大きなことを実現するために、会社を使うためにあります。

それこそがまさに、個人起点の会社組織。これからは人事考課に時間をかけるよりも自分ごと、みんなごと、世の中ごとのサイクルを回す時間を作る。それは、メンターや上司との対話であったり、内省化するような場だったり、常に問いかける時間を作るということです。