長澤運輸事件は、セメントの運送会社の運転手と定年後正社員として嘱託契約をした2社間の賃金格差の問題です。簡潔に言えば、正社員の頃と嘱託契約へと変化したあとで、賃金を8割にしてしまった。地裁の方では会社側が負けました。「職務内容が一緒じゃないですか、配置転換の方法も一緒じゃないですか」1と2が一緒なんだから、その他の事情を考慮することなく、差別的な禁止は駄目なので同じ物を払ってください、ということになりました。パートタイム労働法9条の問題で対応をしています。

でも、高裁ではこれがひっくり返ります。高裁では、「そうは言っても、その他の事情を勘案しましょうよ」となりました。「だいたい世間相場的にいくと高年齢雇用継続給付と在職老齢年金がでているのだから、75%ぐらいが妥当なのではないか」と。

この長澤運輸事件の場合は「8割出しているんだからとりあえずOKなんじゃないですか?」ということで、高裁では会社が勝った。

先程の労働契約法20条の問題、その他の事情を勘案するということです。同一労働同一賃金のガイドライン案は、この辺りを押さえておくといいです。