限定正社員導入で未来を先取り


世界的に見ても日本の労働生産性は21位です。「これはちょっとまずいよね」という話になりまして、AIの進展が重要視されています。例えばタクシー業界、これから自動運転開始されます。そうなってくると近い将来、37万人の雇用移動があると言われています。

そうすると、どうしても今までの年功序列型の賃金、またはガチガチの介護保険の問題、雇用の流動化の問題をどうにかしなければいけない。そうすると、会社の中にも「いや弊社は職能給を一応入れているんですよ、どうですかね?」「いや、結果的には歳が上の方の人が給料高いですよね?」こういうことになっています。結局は年功序列型に近くなっている。これをどうにかして崩さなくてはいけないというのが、今躍起になってやっているところで、それならば「同一労働同一賃金にしていきましょうね」「同一職務同一賃金にしましょうね」これによれば、今までの職能給の曖昧な賃金制度や人事制度も壊すことが出来ます。「じゃあガイドラインを作りましょうね、限定正社員を入れていきましょうね」こういう流れがあります。まずはこのような社会的な背景を頭のなかに入れておいてください。

この社会的背景とは別問題として、限定正社員を導入するデメリットだけでなく、メリットはどんなところにあるのでしょうか。

一つは優秀な人材の確保・定着についてです。

今まで、例えば飲食店も基本的には求人広告をグルメキャリーやリクルートに出していました。「じゃあ地元の折り込みチラシなんてやらないんですか?」「やったことないですよ」「これはやってみてください!来ますよ。」っていう話をしました。

あと、「フェイスブックでの採用やってみませんか?コミュニティの採用やってみませんか?」「やってなかったです!」「じゃあやってくださいよ!これから限定正社員制度を導入するんですから、地元の人を積極的に採用してください」こんな話をしました。

優秀な人材の確保・定着というところです。あとは、ユニクロのように、多様な人材の活用。

あとは、地域に根ざした事業展開、このようなところがあります。

ただ、デメリットでは雇用管理の複雑化、これは否めないです。ただスターバックスやユニクロでも、やはり契約更新が大変なのだそうです。

契約更新の場を正式にもっても、もしかしたら訴えられたら会社が負ける可能性もある。

「それだったらもうこういうのはやめちゃえ。全部限定正社員にしちゃえ。5年を迎える前に2年間経ったら、もう契約更新する人は限定正社員にするし、しない人はもうここで雇い止め、終わり。」こういうようにしたわけです。

ユニクロの場合は半年に1回登用試験を設けているということです。なので、5年なんか待たずに、もう2年で判断します。

実務的なところでいえば、今までは、契約更新という儀式的なことを正式にやっていなかった会社は、基本的には3年更新してしまったら、もうほぼ会社がほとんど負けています。なので、その部分を争うよりも限定正社員を導入する、または雇い止めを5年も待たないで、3年、または4年11ヶ月で切る人は切るなど、乱暴な言い方ですが、そのあたりの決まりや、自社の中で無期転換正社員制度を設けるのか設けないのかというところは考えていただき、その上で限定正社員制度をどうするのか、という部分を整えていくというのが大切だと思います。

労働者側のメリット・デメリットですが、やはりワークライフバランスの観点の実現があげられます。最近はマイルドヤンキーという、地域に根ざして「俺はこの村で頑張るんだ」「この町で頑張るんだ」という人がたくさんいます。ウチのメンバーも越谷出身なんですけども、地域限定でやりたいといって、「今度そんな感じにしようかな」という話をしていますが、このようなワークライフバランスの実現、そして雇用の安定・職務の改善、この辺りが重要になってくるのではないかと思っています。