年齢が上になると親が、配偶者が、自分が介護状態になったらと考えることがあります。
施設に入所か在宅かという話はよく聞きます。
また、施設待ちが多いということもあって政府は在宅を推奨しています。
今は利用しなくても、概要だけでも知っておけば何かの時に話しやすくなります。

【在宅での利用】

●訪問サービス
・同居と別居の違い
もし親や家族が要支援や要介護の状態になったら、ヘルパーさんを頼み、お風呂や排せつなどの介護や掃除などの支援、看護師さんに訪問看護を頼んだり、デイサービスに通い簡単なリハビリなどをすることもできます。
介護保険でヘルパーさんに掃除など家事を頼むといっても元気な同居家族がいる場合は基本できません。同居とは、同一敷地内に居ることや隣り合わせに建った住宅も含みます。
でも、同居や2世帯住宅でも、日中長時間にわたり家族が外出していて実質的に独居状態である場合、老々介護といわれる要介護状態のみの家族の場合もできることが多くあります。規則だからではなく現状で判断してくれることも多いので、決めつけないで相談できることを頭に入れておくことです。

今は24時間訪問サービスなども進められていますがまだ体制は十分でない部分が多いのでネットなど情報に左右されないことも大切です。

●デイサービス
通所というデイサービスもいろいろあります。
1日行って食事やカラオケなどで過ごすだけではなく午前中だけ午後だけ通ってジムのような場所もあります。またお風呂が心配という方の入浴に特化しているサービスや音楽療法や美術療法に特化しているところ、工芸をしたり、農業を行い収穫の楽しみがあるところなど様々なところがあります。
近くにどんなデイサービスがあるのか、親はこんな趣味だから合った場所はないのなど知りたかったらケアマネさんに聞くことが一番簡単です。
でもケアマネさんは1人ひとり経験値も違いますし、事業所に所属しているため得意な分野があったりもします。
そのため直接聞きづらい時は市や区の福祉課や地域包括センタ―に聞くこともできます。そこでは区や市の情報があります。
ただしここでもちょっと注意が必要です。
それは、自分の住んでいる場所が隣の区や隣の市の近くだった場合はむしろ隣の市や区の方が良い場合もあるからです。その時はやはり隣の区や市で聞くのが一番ということになってしまいます。自分の住んでいる区や市以外のサービスを利用することは可能です。自分の住居地域以外でも普通に利用できるとことは覚えておいてもいいかもしれません。

デイサービスはインターネットでの情報があまりないため、「こんなことができるかしら」はやはり役所や地域包括支援センターなどへ聞きにいくのが一番かもしれません。

【施設の利用】

意外と知られていないのがショートステイなど施設の定期利用です。
ショートステイというと数日間ちょっと利用して家族がほっとしたり、法事や旅行に出かけるために短期で不定期で利用するというイメージが強いと思います。
でも家族で介護をしていると、あるいは認知症の高齢者を見守っていると、介護する側が疲れてしまうことがよくあります。
そのためのショートステイなのですが、何かないと利用できないと考えてしまいがちです。
しかし何かある前に、例えば疲れる前に週2日だけとか、週末だけとか、定期的にも利用することができます。

50代の女性が、父親と入浴のこと、食事のことでどうしたらいいか相談にみえました。
自分は一人娘で、現在夫と実父の三人暮らしです。
自分の親なのでということで夫に遠慮がちで一生懸命要介護の父親を看ていました。でも最近は父親がお風呂に入りたがらない、散髪問題や入歯のトラブルなどあり、相談相手もなく、精神的にかなり疲れてしまっていました。父親は月2回病院に通院して、慢性的な薬も処方されていましたが飲み忘れもありました。
施設には入りたくない、デイサービスもいまいちという父親にこれからどう対応していったらいいのかということでした。
今のままでは彼女が参ってしまうとショートステイの定期利用の話しをしました。
金土日、入浴と生活リズムのことを見直すため看護師も常駐している場所で過ごしてもらうことにしました。1人部屋でテレビもあり部屋でも食堂などでもゆっくりすごせます。
最初は抵抗があった父親ですが、お風呂と出張理容による散髪、歯医者の定期チェックなどを利用、同年代の男性がいて将棋もできるなどで利用することになりました。利用するうちに徐々に生活も慣れ、週末彼女は夫と日帰り温泉にいったり、父親を誘って3人で夕食時、レストランへ外出したりできるようになり、2人とも随分落ち着きを取り戻しました。
父親も自宅以外の場所でそれなりに気を遣い、定期的に看護師の健康チェックも入り、少し良い変化がでてきたとのことでした。
そして彼女は平日ゆっくり父親と向き合えるようになりました。

利用料金は、介護度が3程度の場合、デイサービスは1日利用で食事や入浴などをプラスすると1500円位。
ショートステイは1割負担で1カ月10日位利用、月3万円位です。
しかしどれも地域、施設やサービスによって差があり今後は負担は2割、3割負担の人もでてきています。負担は重くなることはあってもあまり軽くなることはありません。また軽減措置等が適用になることもあるため調べることが大切です。

在宅だとどうしても頑張りすぎる傾向があります。でも長期戦である介護は続きません。むしろ手抜きしてリラックスしてしないと相手にも伝わってしまいます。
それともう1つ、繋がりは大切です。
どこかと繋がっていると施設に入居するとき、突然入院などのことになった場合融通してもらえることがあります。やはり知っているから、いつも看ているから、状態が判っているからという状況が発生します。
もしもの時のためにというのではなくても在宅で看ている場合も先のことも頭に入れておくことが必要です。

将来在宅で介護するのか、施設なのか選べる場合もありますが、施設は現実問題かなりの待ちで入れない、介護している者が倒れてしまうとか思わぬ状態になることはあります。
そんな時頼れる可能性をいろいろ作っておくことは安心のひとつかもしれません。

中村美ユキ 社会福祉士/精神保健福祉士/介護福祉士
行政、病院、施設等で相談員や介護を経験