前回に引き続き、日本賃金学会広島大会での弊社矢萩の学会発表について
わいがや倶楽部でお話をさせて頂きたいと思います。

■働く体験価値(EX)を中心とした組織づくり
前回は、ESからEXという概念のお話をさせて頂きました。
ミレニアル世代の働く動機は今までの金銭や地位といった画一的な価値を
中心とした従業員満足から、ダイバーシティ、ミレニアル世代といった
時代では働く人の価値観も様々なのです。

そこには、今までのESから働き方、働く人のそれぞれの状況、
ライフスタイル等の環境によってその働く動機は、一年の中、一日の中でも
刻々と変化していきます。それはESからES=働く体験価値の最大化という
新しい状態を中心に組織づくりをしていくことでもあります。
それでは具体的な例をあげてみましょう。

例えば入社式1つにしても、新しい社員が入ってくる。いままでは、
毎年例年の通り、単に入社式をやりましょうでよかったかもしれません。
しかしEXの観点からは、この人が1番喜ぶであろう入社式は一体どんなのかな。
そんなことを考えながら、入社式というシステムを考えていく。
そんなことが大切なのかなという風になってきています。
私たちは、このEXという観点から、組織を見るために社内調査を行っていきます。

実際に、これは稲盛さんの考え方ですが、能力×やる気×考え方=成果。
この辺りをもとにして、社員1人1人とデプスインタビューをするということをやっております。

従来のエクスペリエンス構築アプローチvsデザイン・シンキングアプローチ

それでは、今までのES調査とEX調査はどこが違うのでしょうか?

これは学童の会社で、一人一人の働く体験の価値について
インタビュー( 記事はコチラ→ http://esr-j.com/j00612/ )を行った時の事例です。

成果というのは一体なんですか。能力はどういうものですか。
その能力をコンピテンシーの考え方から、あなたが尊敬する先輩とか
見習う人どんな人がいますか。

そんなことを聞きながら、インタビューをしていきます。
そして、やる気の面では、ワークエクスペリエンスの概念からインタビューをするのです。

実際に1日の中にあなたがワクワクする時はどんな時ですか。
1年の中で、1番あなた自身がワクワクする場面や行事はどういったことですか。

こんなことを質問していきます。あなた自身の考え方。
職場の中で5年後、10年後にも残しておきたい習慣はなんですか。
これらをヒアリングすることによって、1つの、この会社にはどういった価値観を
持った人たちがいるのかという、ペルソナをつくっていくのです。

また、弊社では
小冊子「人事制度だけでは解決出来ない!やる気のない問題社員はES組織開発で解決!」
で詳しく書かせていただきましたが、
一人ひとりの価値観診断というものをデジタルツール・統計の視点から分析し、
科学的に診ていくことを行っています。それでは話を戻しますが、
ここでは、正社員の方は、子どもの成長がすごく好きで、
子どもと接しているのがすごく大好きで、そういったところに喜びを
感じながらやっているということが見えてきました。

そして、モチベーションが低くなるのは、職場の人間関係よりも、
子どもとのいさかいだとか、子どもから理解されなかったりとか。

特に中学生ではトラブルになってしまって落ち込む。それが、社員の働く体験価値に
大きく影響するのだとわかってきたのです。そこで今までと違う一方的な会社からの
画一的な価値観の提供というものが出てきます。

例えばこの会社では、社員のEXを高めるために、社員の方々が子供との
悩みなどを相談できるところがあればいいな。そうか、給料じゃなくて、
職場の中でのメンター制度を導入しようだとか。

または、職場の中での会議体の中で、お互い日々どんなことが起きているのか、
対話するような場をつくっていくのがいいなとか。そんなところが見えてくるわけです。

または、別のタイプの方々がいます。ここではコックさんです。

コックさんは実はあまり子どものところに関心があるわけではないということが
見えてきました。今週のメニューはお前がつくっていいよ。主任から下っ端の私が
メニューつくってよいと頼まれた。すごくうれしいな。
こういうところがモチベーションになったりするんですね。
または、パートのおばさんの働く動機もまた違います。それは子どもたちの成長プラス、
職員の方から辞めないでねって言われたとき、〇〇さん辞めないでね。
〇〇さん辞めちゃ絶対ダメだよ。職員の方から言われたときに、
すごくうれしくて、この職場にとどまりました。こんなことを話していました。
そういうところから、この人たちが一体この職場の中でどんなモチベーションや
ニーズがあるのかなというパターンが見えてくるのです。

それがだいたい社内のアナログなEXインタビューそして科学的な分析から
4つから6つくらいになって出てきます。それに合わせた報酬として物やコトを、
用意していく。そんなところがこれからの人事制度の中にあるのかなという風に思っております。

■これからの評価は個人からパターンランゲージを使った自律したチームの評価
あともう1つやっているのはチーム評価です。これからは個でもないし、集団でもない。
ちょうど中間のチームだということです。
チームの評価を作るときに、パターンランゲージという方法をとっております。

チームにおける業務パフォーマンスのマネジメント

このような、カードを作らせていただいて、このカードの中から、
そのチームの中でどんな職場にしたいかということを選んでいただいて、
そのことを大切にして、評価制度に落とし込んでいこうという方法をやっております。

パターンランゲージというのは、もともとは建設の関係のアレグサンダーという方が、
学者の皆さんではお詳しいのかもしれないんですが、
都市開発の第一人者の方です。

その当時、今もそうですが、まちづくりは国の方から、こういった道路が必要で、
こういった街づくりにしようなんてことで進んでいきます。

でも実際にはその道路が使えなかったり、と・・・。

それだったらば、市民の皆から意見を聞いて街づくりに生かそうというような、
まさにエクスペリエンスのところから出てきた考え方なのです。

これは人事にも使えるなと思いまして、どんな職場にしたいのかというのを、
自由だと意見が出ません。
何もないと意見が出ないので、そのための1つのカードというのを用意させて頂いております。
カードの中身はここにあるので見て頂きたいです。

チームにおける業務パフォーマンスのマネジメント

このようなカードを利用しながらやっています。
各チームが自分たちでこのチームがわくわくするようなチームづくりのあり方を
話し合います。そして、その選んだチームコンピテンシーに基づいて、
S、A、B、C、Dとチーム評価の基本をつくっていくのです。

この中から選んだものをブラッシュアップしたものから、
実際にチームの中で3つ出来たよね。5つ出来たよね。2つ出来たよね。
じゃあそれだったら、SなのかなBなのかなAなのかな。
こんなのを付けながらチーム評価をさせて頂いております。

今回は、EXの具体例をあげ、組織開発についてお話を進めていきました。
しかし、これからの目標管理は、今までのような4半期や半期でなく、
毎月、毎週、デジタルの力でPDCAを高速に回転できるようなチェックインシステムです。

次回はこの目標管理を中心としたパフォーマンス管理を中心に話を進めていきたいと思います。