「良いリーダー」となるか否かは状況次第!状況適合理論


「良いリーダーとそうでない者の違いはどこにあるか」ではなく、「どのような状況ではどのようなリーダーが機能するのか」という状況とリーダーシップの相性問題である。

たとえば、新規事業開発のような、何をどこから手をつけていいかわからないような業務では、指示型リーダーが具体的にタスクを整理することで業務は捗り、部下の満足度は高い。
しかしながらこうした業務で成果をあげた指示型リーダーが、コールセンターや経理処理などの定型的な業務を行う部署にくると「細かいことまでいちいちうるさい」と部下の満足度と生産性を下げることにもなりかねない。こうした場では支援型リーダーに部下の気持ちをケアさせたほうが生産性が向上しやすい。
また同じように新規事業開発のような業務であったとしても、部下たちの能力が十分に高く、そのことに自負もあるようなメンバーであれば、やはり「細かいことまでいちいち指示されたくない」と生産性を下げてしまう。こうした場合はむしろ参加型リーダーとして、部下たちの提案をうまくまとめられるほうが良いリーダー、ということになる。
もちろん一般知能gが高ければ、ある程度どの仕事を任されても対応できるかもしれない。しかしその説明力はあくまでせいぜい3割程度。「勉強ができれば仕事ができる」は3割正しい。残りの7割のいくばくかは、本人の特性と求められる状況との相性によって左右される。