●コラム● 「社員は資産」の本当の意味


■7つ道具―クレド■

 

さまざまな書籍などで『社員は資産』と言われます。

どんなに社長が有能だったとしても、どんなに社長が素晴らしいアイデアや理念を持っていても、それを実現するために行動するのは社員だからというのが、この言葉を聞いた時に感じる意味だと思うのですが、もう少し踏み込んで考えてみたいと思います。

最近、多くの雑誌や書籍で企業ブランドの重要性が説かれています。

特に、アップルの躍進を目の当たりにしたあたりから、「やっぱり性能や機能では無くてブランドイメージが大切だよね」という論調が増えて行ったように思います。

たしかに、その通りだと思うのですが、その手の論調を見ていると「ブランドというのは頭の良いコンサルタントの先生が企画して人為的に作り上げるもの」というイメージが拭えません。

しかし、ブランドというのは、企業の社会(顧客を含む)に対する約束だと思うのです。

簡単に言ってしまえば、企業は「ウチはこんな思いを持っている企業なので、仕事を誠心誠意行います」という約束で、これを守り続けることでブランドイメージというのは社会に浸透すると思うのです。

たとえば、先日、多くの一流ホテルやデパートで起こった食品の虚偽表示問題と言うのは、彼らが持っていた「高級で本物を提供する」という約束を破ってしまったために大きくブランドイメージを損ねてしまったと言えます。

では、企業ブランドを高めていくためにはどうしたら良いかと言えば、社長やコンサルタントが会議室で頭をひねることでは無く、現場の社員が地域の顔として人々に接し、お客様に接し、協力会社に接し、電話を気持ちよく受け取ることだと思うのです。

弊社では以前から非正規社員ではなく、あくまでも正社員を雇い育てていくべきと主張しているのですが、それは企業ブランドを高める社員は一朝一夕で生まれないからです。

しっかりと、企業文化を受け止め発信することが出来る社員を増やすことが出来れば、文字通り『社員は資産』となることでしょう。

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