実践!”全体最適”で組織変容を促す
全体最適を目指す
組織開発においては、会社とメンバー個人個人のベクトルは異なっているという前提に立ちます。違っているもの同士の中でも、その多様性を尊重したうえで、共通する重なる思いを明確にし共有することで組織とメンバー一人一人のベクトルをあわせていくことができます。
働き方改革の取り組みでも、現状をどうにかしようと一生懸命がんばって働けば働くほど残業が増え、休日出勤が増えるという状況に対して、がんばって働くのはやめようと言っているのが働き方改革ではありません。
その会社にとってどのような働き方が望ましいのか?会社とそこに集まったメンバーはどんなことを実現したくて、そのためにはどんな働き方が理想なのかを明確にし、その働き方に近づけていくことが働き方改革を進める上でも大切なポイントです。
全体最適を意識した働き方改革を進めることで、より従業員満足につながっていきます。
共通する思いの共有
最近では、さまざまなソフトの開発も進み、情報の共有のしやすさは各段に向上してきました。個人が主体的に活躍できる組織、経営に関わっていく上でも情報の共有はとても大切です。
個人が主体的に判断するためには、その判断基準となるものが必要となりますが、理念やクレドが浸透していない状況では、個人の自主的判断に委ねることは会社にとってリスクとなります。
個人の主体性を発揮させ、個人に権限を委ねていくためには、共通する思いを明確にして共有しておく必要があるのです。
そのためには、企業の理念・クレドといった会社側の思いを一方的に伝えるだけでなく、従業員が理念やクレドのどのように受け止めているのか?また、働くことを通してどのようなことを実現したいと思っているのかという個人の思いもお互いに共有していく必要があります。
また、考えや思いは時間が経てば変化するものなので、日々すり合わせを行いながら、必要が生じたら見直しをかけていくということも必要となってきます。
見える化
そのためには、「見える化」を行っていくことも効果的です。この「見える化」についても、情報の共有と同じくツールの活用で利便性が向上してきています。
例えば、部署ごとの繁閑の状況の見える化は、部署間を超えた協力耐性を促し、企業の全体感を感じ取ることや経営者視点を養ううえでもメリットがあります。
また、部署や個人の目標や現場でのお客様の喜びといった感動の共有は、モチベーションアップや学びの機会を増やすことにもつながります。
自分ごと思考へ
不確実性が高い時代では、能力が高い人が権限をもって引っ張っていく方法ではなく、皆の力を合わせ、気づき→判断→行動を繰り返していくことの重要性が高まっています。
そのための、自分の思考で考えさせる仕組みの基本となるのが、「共通する思いの共有」と「見える化」だと言えます。一人一人が自分で考え行動するためには、判断基準や共通認識を持つことが必須なのです。
会社の中の仕事の全ては、その会社が実現しようとしている共通する思いをカタチにするための仕事です。
共通する思いをカタチにするために会社があり、仲間がいて、力を合わせることによってお客様への価値を生み出しているのです。共に協力し合って思いを形にしていく仲間への感謝の気持ちや、協力し合うことへの喜びの気持ちも生まれます。
共通する思いを共有し全体最適を目指すことで、メンバーの主体性が高く、幸福度も高い組織づくりを目指すことができるのです。