自律分散型組織は計画してつくるものでなく自然となるもの


環境を整えたら、あとは信じて待つ

組織開発は、無理にフラットな組織にしたり、自律分散型の組織にさせることではないと考えています。組織開発とは、その組織が自らの力で自然とそうなるよることができるようサポートすることです。

そのために私たちにできることは環境を整えることです。

これはまるで発酵食品をつくるのと同じです。

醗酵しやすい環境を整え、後は醗酵するのを信じて待つ。

制度を作ったり人事制度を設けたからと言って本質的に組織を変容させることはできません。

あくまでも、組織自らの力で変容していくのであって私たちはその力を引き出しやすくするための支援を行っていきます。

関係性の質の向上

組織の醗酵を促すための環境を整えるために私たちが行っていくことは、職場における関係性の質の向上を図っていくことです。

組織に集まったメンバーに共通する思いを言語化し共有できる形にしていくこと。また、思いの重なっている部分、共通する思いを明確にしすり合わせを行っていくこと、これはその組織にとっての大切な思いである世界観を作っていくということです。

また、組織開発においては場づくりや対話を大切にしていますが、それは、接点を増やすということです。接点が増えれば増えるほど、多様な価値観・視点の交わりが生じて、そこから新しい気付きやアイディア、価値観が生まれていきます。イノベーションは異なるもの同士が接触した時に生まれやすいという特徴がありますから、接点を増やすということはイノベーションや変化を促すうえではとても重要な考え方です。

このように関係の質の向上を行っていくことで、私たちが組織のあるべき姿を示し、その組織へ近づけていくのではなく、その組織自らが自分たちにとって大切にすべき考えを明確にし、その思いをカタチにするために自ら取り組みを始めていくのです。私たちはあくまでも、組織が自然と、そのようになるのを信じて見守っているのです。