社長以上に現場の方が知っている<ソーシャルキャピタルで評価する新しい組織>
人事の壁でも紹介しているもう一つの未来型組織、ダイヤモンドメディア社を紹介します。
ダイヤモンドメディア社の武井社長曰く、「仕事と給料を結び付けたらダメ、ウチの会社は実力級で物事を決めています。そうでなければ、イノベーションは起きません、」と、こんな社会実験を教えてくれました。
絵が好きな子どもたちを集めて、3つのチームに分けます。
・Aチーム:事前に「良い絵には賞が出ますよ」と伝えている
・Bチーム:事前に何も伝えないが、事後に賞状を渡す
・Cチーム:何ももらえない
さて、どのチームが一番たくさんの絵を描いたでしょうか。
答えは、最後のBとCのチーム。何ももらえないチームがたくさん描きました。
実は、内的動機というのは、そこにお金が絡んだ途端に、「仕事」に変わってしまって、共同体の意識が薄れ、モノゴトをやらなくなってしまう側面があります。
なので、ダイヤモンドメディア社では、仕事とお金を結び付けません。
ダイヤモンドメディア社は不動産のシステムを作っている会社ですが、もともと不動産業界に関心があったわけではありません。
「よりよい会社にしよう」と、一丸となって社内の様々な施策を進めることで、社内の課題に気付く目が養われ、その結果、社会の課題に気付く目も養われていったといいます。
社員それぞれの目で社会を見渡したとこと、不動産会社の理不尽さに気づき、不動産会社に寄り添って寄り添って、事業領域も絞って、不動産会社専門のシステムをつくる会社になりました。
本来なら、100%社員が自分たちで自分たちの給与を決める、という方法でも良いかと思いますが、70%くらいにしておいて、給与の内の30%ぐらいは、実力給が良いのではないかと思っています。
成果給と実力給は違うものです。
例えば、浅草には有名な浅草寺というお寺があります。
そして、弊社の隣にはAというお寺があります。
例えば、浅草寺が焼けてしまったら、たぶん国は補助金を出して建て替えます。
でも、弊社の隣のお寺が燃えてしまっても、おそらく国はお金を出しません。
ソーシャルキャピタルの違いです。
要するに、その会社の中で、その人はどのような価値を持っているのか、これを社員が皆で共有し対話します。非常にユニークですが、市場のように相場で決めるそうです。
何もしていない社員がいる。でも、何もしていなくても、その社員さんの周りに人が集まってくれば、その人には価値があるわけです。なおで、この人に給料を払います。
「じゃあこの給料はいったいいくらなの?」
これは社員全員で決めれば良い、という仕組みで給与を決めているそうです。
そうしますと、自分の仕事に値段が付いていないので、隣の仕事もやりますし、社外の仕事もやります。そのはみだしからイノベーションが起きるというシステムです。
非常にユニークな会社です。