労働契約法改正に伴う組織体制 3つのパターン


平成30年、改正労働契約法が具体的に動き出しますが、それに伴い、どのような形で受け入れの方法・組織を改革していけばいいのか。

基本的には、この三つのタイプがあります。

「全員社員タイプ」これは究極の方法です。

中々これは選択することは無いと思いますが、正社員と非正規社員が存在しているのは、非正規社員という存在があるから、正社員なのです。正社員というのがあるから、非正規社員なのです。ですから、安倍内閣が言っているのは、「非正規社員を無くしましょう、撲滅しましょう」。全員正社員ですよと言っています。しかし、これは中々難しいです。

例えば、ロフトという会社が全員ロフト社員と言っています。

大抵の会社は、この第一ステップの「5年経ったら全員パートさん雇い止めです」というパターン。この会社には無期転換の社員さんというのが存在しません。例えば、109のカリスマモデル。学生や若い人が5年経って大学卒業しました。では、契約終了、また新しい人を雇用するというパターン。こんなパターンもあります。

次に1-2のタイプ。パートタイマーで雇い止めする人とすぐ正社員に上げてしまう人、これも無期転換というのは存在しないタイプです。これは、広島電鉄という会社がやりました。平成25年の4月から始まっていますから、平成30年の4月までで対応が必要な会社はたくさん出てきています。なので、「ウチの会社は無期転換というのを、5年待たずに2年経ったら無期転換にしよう」と、やっています。そうしたら、そういう人がたくさんでてきてしまいました。労働条件は契約の時と変わらないので、すごく不満が出てきてしまって、全然賞与も出ないし正社員と比べると、ただ契約が無期になっただけでやる気が出ませんと。これはもうどうしようかという話になりました。

広島電鉄では、「じゃあ、このパートの無期転換というのをやめて全員正社員またはパートさん、あとは雇い止めの人、としましょう」と決めました。そうしたら、今まで不満を口にしていた無期転換の人たちが、「今日から正社員だよ!」と。正社員と言っても限定正社員ですが、「すごくやる気になりました」、という感想が寄せられて、会社がすごく元気になっていったそうです。

1-3、「パートタイマーさんも無期にしますよ、無期の中からもし登用試験に受かったら正社員にする場合もありますよ、でも基本的にはパートタイマーから無期のタイプにしますよ、あとは5年経ったら雇い止めする人は雇い止めしますよ」というタイプ。大体6割の会社がこれに当てはまります。

しかしながら、戦略的に人事を動かす会社は、これを機に「よし、じゃあウチは限定正社員制度を入れてみよう」と、ユニクロだとかスターバックスコーヒーみたいに変化していこうとします。ユニクロは「これ以上店舗数増やせないどうしようかな。よし!じゃあ限定正社員制度を入れて地域密着型の戦略を取ろう。付加価値を高めて会社の労働生産性を上げていこう」と、この方法へと舵を切りました。スターバックスコーヒーでは、どんどん店舗展開はしたい。グリーンエプロンとブラックエプロン、ブラックエプロンの人が格好いいです。あの人たちも意外と契約社員の方が多い。「でも店舗展開をしていきたい。じゃあ、今までのパートさんや契約社員さんを限定正社員にして、地域限定でやっていこう。そして店舗数をどんどん増やしていこう」こんな方法で、会社の人事戦略・経営戦略とマッチングさせてきました。しかし、そのためには、様々な制度を整備しなくてはいけません。

この第2ステップというのが限定正社員ですが、たくさん制度を作らなくてはいけない。

だから、6ヶ月から1年ぐらいかかると思ってほしいのですが、やはりそれなりの効果が、私はあると思っていますので、ぜひ参考にしていただきたい。