●コラム● ビジネスの土壌が変われば生態系も変わる
■7つ道具―対話の場■
ご存知の通り生態系とは、たとえば、虫を鳥が食べフンをだし、そのフンが土になり、樹木や草の栄養となり、そして虫がそれを食べる・・・といった一連の流れのことを指します。
この生態系の重要なことは、どこか一つが壊れればすべてが壊れると言うことで、有名な事例としては某国で行われたスズメ駆除が挙げられます。
簡単に紹介しますと、某国のトップは農業の生産性を上げるために、農作物を食べる害鳥としてスズメを駆除することを指示しました。
ところが、スズメは害虫を食べるという良い面もあったため、スズメが駆除により激減した後、害虫が大繁殖し農作物が壊滅的なダメージを与えたために国民の多くが餓死してしまったという事例です。
さて、ビジネスに目を向けてみるとビジネスの生態系は大きく変化しているように感じます。
それぞれの企業におけるビジネスが樹木だとすれば、それを支える土壌はそれを取り巻く社会と言うことになります。
大震災以後、日本社会は、これまで利益や効率を優先させる経済優先の価値観から、コミュニティや地縁・血縁といったつながり優先の価値観へと大きく変貌を遂げてきています。
これは、良い悪いの話ではありません。
と言うのも、それぞれの価値観には良い面と悪い面があるからです。
むしろ、重要なのは企業の生存戦略が大きく変わってきていると言うことに経営者は気付かなければなりません。
ビジネスの木を支える土壌が変化したのであれば、当然、そこに立っているビジネスの木も変化しなければ栄養を取りこむことが出来ず枯れてしまうからです。
つながり=ソーシャルという視点が企業のビジネスにどのような変化をもたらすのかを敏感に感じ取り変化しなければなりません。