●コラム● 「人材」は企業価値評価の重要要素
■7つ道具―クレド■
これまで企業価値というのは、業績・財務・戦略という3点セットで考えられてきました。
しかし、これだけ新製品が毎日のように溢れ、毎日のように機能や性能がアップしていく中では、やはり「我社らしさ」を表現していくひつようがあります。
そして、それを作り上げていくのは、人材そのもののであり、企業価値を決める大きなファクターとなってきています。
フォードはかつて我社らしさを「私が欲しいのは2本の手と足なのになぜ頭と胴体という人間がくっついてくるのだ!」言いましたが、今はすでにそんな時代ではありません。
今や、社員の人間性そのものをフルに発揮してもらう環境を重視した企業がこれからのつながりを大切にした新しい市場では、勝ち組になるのです。
それを踏まえて振り返っておきたいドラッカーの発言があります。
「問題は、いかにして知識労働者にこの企業に留まりたい、貢献し、生産的であり続けたいと思わせるかという点だ。これまでにも常に社員の離職に伴うコストは高かったが今日では生産手段そのものが去ってしまうことになる。社員が企業を必要としている以上は企業は社員を必要としている、社員は資産でない資産なら売買が可能だが社員は純粋に価値なのである。」
この発言は、ドラッカーが1998年にカリフォルニア大学バークレー校で述べたものです。
いかに企業に貢献してくれる社員を確保するかが今後の企業戦略を決める重要なポイントになるでしょう。