「はたらく=傍を楽にする」という日本の大切な仕事観は、果たしてこの先どこに向かっていくのだろうか?
”はたらく”に密接に関わる専門家集団であるわたしたち㈲人事・労務は、日頃のさまざまな企業との関わりを通して、社会に蔓延する厭労感に問題意識を抱いてきました。そして、コロナ禍の StayHOME 、ソーシャルディスタンスなどさまざまな生活様式の変化に伴いあぶり出された、リアルで会社に行く意味、職場という場でのコミュニケーションのありかた、ストレスマネジメント、対立構造のひずみで生じるハラスメント問題など、多様な課題に直面し、模索する企業の姿を目の当たりにしました。
そのような中でも、一つひとつ課題をクリアしながら懸命に前へ進もうとしている社長さん・リーダーの方たちが、力強く経営を推し進められるように。そして、人口減少時代を迎えるこれからの日本社会において、志を同じくする地域の中小企業が繋がり合いながら創造性あふれる”はたらく”を生み出していけるように。コミュニティ経営によって地域の”はたらく力”を高めていくべく、前向きにはたらくカッコ良い大人が増えていくことを願い、新刊『コミュニティ経営のすすめ』を出版致しました。
『コミュニティ経営のすすめ』とは
コミュニティ経営を推し進めていくうえでは、二つのアプローチがあると考えます。
1,各地の組織において、源となるひとが基点となって、多様で創造的な職場の土壌づくりに取り組んでいくこと
:その手段として「組織開発」を推し進めていくことで、リーダー人材が育ち、対話の習慣が根付き、現場に立つ一人ひとりが自律的に動いてゆく環境をつくることができます。
2,各地の中小企業が実践するコミュニティ活動から生まれる価値が地域に循環していくための”出島”を運営していくこと
:出島的な機能を運営していくには、組織そのものがソトに開かれ、社会性を持たねばなりません。自組織の事業が地域社会においてどのような価値を生み出しどのような課題解決に寄与しているのかを一人ひとりが実感し、やりがいや誇りを持ちながら一歩を踏み出していくことで、一人ひとりの社会性も高まり、地域社会においても多様なつながりを創り出していくことができます。
これらのアプローチを支える存在として、個と組織の健全性を保つということが重要で、その指針を掲げ健康戦略として人事施策に取り組んでいくことが企業には求められます。
複数の自分を認識する
長いキャリアの中で、誰もが必ず「子ども」や「親」といった「家庭人」としての顔、「新人」や「先輩」「管理職」といった「職業人」としての役割、地域の中では「野球チームのコーチ」「町内会の班長」「大学でまなぶ学生」といった複数の一面を有する期間を過ごすこととなります。
「マルチ・アイデンティティ(複数の自分)をもつ重要性」は、文化人類学者の田端拓哉氏らの研究グループが述べていることですが、レジリエンス(しなやかな強さ)の観点からも、そもそも自分の中に複数の自分(多様性)がある、ということを自己認識することは、持続的なはたらき方を実現するためには大切なことなのです。
しかし、自分の中に多様な一面を持つということは、その分、外部との接点が増え認知の幅が広がり、観える課題・感じる気づきも複数重なるわけですので、それらを昇華しきれず、時に立ち止まったり後ろを向いてしまう時期もやってきます。コミュニティ的な組織に身を置きさまざまな他者との接点を持つことは、そのような時期においても、対話をしたり共に道筋を描く機会が持つことで、また歩みをはじめる原動力ともなるのです。
多様な個が共に働く組織の”したいことを実現する文化”の醸成のために
「組織文化診断」とシステムアウェアネスの組織開発ファシリテーション
採用活動において、学生からよく聞く言葉は、
「雰囲気が合わないからあの会社は選ばなかった」「面接を担当していただいた方の雰囲気が良かったから決めた」「会社の扉を開けた時の皆さんの職場の雰囲気が良かった」等。
この”雰囲気”を観て、そして、目には見えないけれどもそこに確かにあるこの感覚を手がかりに、文化をあぶり出していきます。
そして、組織のエネルギーの流れの方向性を皆さんと探りながら、自ずと皆さんの職場というコミュニティが調和・統合していくきっかけの場や機会をつくって行きたいと思います。
▷ 組織文化診断とシステムアウェアネスの組織開発ファシリテーション
:PWI認定プロセスワーカー・ホフステード組織文化プラクティショナーの横山十祉子氏(システムアウェアネスコンサルティング代表)による 「組織文化」の診断です。
幹部・管理職陣との課題認識の共有のため、人事制度構築・社内プロジェクト始動に際して現状把握のため、年に一回の組織の健康診断として、など、自社の組織のありたい状態に向けた定点観測を行ないます。
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