地域を舞台に観えてくる これからの参加型社会とは
「太陽のもとのてらこや」に参加するのは、勤めているひと、経営しているひと、学び過程のさなかのひと、などさまざまです。皆それぞれの背景や意図があって、徒歩行軍とまちあるき、それぞれのコースを選んで参加してくださる多様な顔ぶれです。
しかし、その一日の長い行程を終えると、不思議と醸成されている「一体感」があります。まちを歩きながら普段とは異なる学びを共にした一体感、あるいは、長距離を歩き抜いた一体感。
その感覚は決して、“歩くぞ!”“歴史を学ぶぞ!”といった同調圧力から高められたものではなく、また、機械的に組み立てられたカリキュラムの枠組みで生み出されたものでもなく、日光街道という一本道を「歩く」というシンプルな行為を重ねながら、各々が身体性で感じ、さまざまな創発と向き合うプロセスを通して、「なぜ歩くのか」「何のために参加したのか」等々の意味をつくりあげたからこそ、育まれた感覚であると言えます。
このように「場や機会を共にし、身体性で感じる行程を歩むことで、時間や空間を越えて一体感を共有できること」の意味を、日光街道を舞台に、より深めていきたいと考えたときに、日頃さまざまな学びをいただいている田原真人さんとのご縁で、今回のセミナーの開催に至りました。
これからの社会において、主体的な個が結び付き、つながりを通したさまざまな物語を生み出していきながら、意味や役割を見出していくコミュニティを、田原さんが提唱する「参加型社会」と重ね合わせながら、「日光街道太陽のもとのてらこや」最終日に、皆さんと学びを深めていきたいと思います。
(2022年11月19日実施 日光街道太陽のもとのてらこや特別セミナー)
ゲスト: 田原真人さん
デジタルファシリテーター/非暴力アナーキスト
参加型社会学会会長
国際ファシリテーターズ協会日本支部(IAF Japan)理事
文筆家&講演家(オンライン化による学びと組織の変化、参加型社会へのパラダイムシフト)
コンサルタント(参加型コンセプト開発・オンラインプログラム開発)
参加型社会の実現に向け、教育、組織、社会の新しいデザインを探究する独立研究者。「反転授業の研究」でオンラインコミュニティ運営、「トオラス」で自律分散型オンライン組織経営を行う。2021年から、参加型社会学会を立ち上げ、社会のパラダイムシフトに取り組む。『Zoomオンライン革命!』『出現する参加型社会』『Miro革命』など著書12冊。参加型社会学会会長。IAF Japan理事。一般社団法人SD&I(サプライヤーダイバーシティ&インクルージョン)研究所理事、有限会社人事・労務顧問、デジタルファシリテーター。非暴力アナキスト。マレーシア在住10年を経て2022年6月に帰国。