「アブダクション」トレーニング

問題解決や意思決定に不可欠な推論の手法として「演繹」「帰納」「アブダクション」があり、特に現代においてはアブダクションの思考法に注目したい。アブダクションは、観察された事象を出発点とし、それを最も合理的に説明する仮説を導き出すものであり、不完全な情報でも柔軟な発想を可能にする実践的な推論法である。
また、現象学における「本質観取」との違いや共通点を踏まえ、アブダクションに現象学的アプローチを取り入れることで、思考の深みと洞察力を高めることができると述べる。さらに、観察・仮説・対話を通じて実行可能な対応策を探るアブダクショントレーニングが、人材育成や組織活性に有効である。

『月刊 人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング発行)
2025年4月号 一歩進んだ「人事ツール」活用術
執筆者: 金野美香