「ダイバーシティ時代 なぜまとめない組織がうまくいくのか」~脱ピラミッド型組織の方向性をさぐる~について、慶応義塾大学 大学院 社会学研究科 博士課程 田上 皓大氏より、学生の視点からインタビューを受けました。

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今回、僕はインタビュアーとしてテーマに関する質問を投げかける役でしたが、インタビューを行う過程で多くのことを学ぶことができました。

現代社会に様々な変化が起きており、多くの人々や組織が困難に直面していることは、これまでにもメディア等で指摘されてきました。しかし、実際にどのような変化が起き、それがどのような困難をもたらし、また、それに対してどのような対処が有効であるか、ということまでは指摘されることが多くありませんでした。

今回のインタビューを通して、そのような具体的な内容について個人と組織というテーマから理解することができました。

 

若者の視点からインタビューすることも今回のインタビューの目的でした。もちろん完全にこれから働き始める若者にとっても興味深い内容とはなっているとは思いませんが、しかしいくつかの個別の内容の中には興味深いものもあると思います。

例えば、仕事に関する報酬について、これからは金銭以外にも多様化していくという話がありましたが、この点については若者たちにとっても身近なテーマになってくると思います。

キャリアを始めようとしている、もしくはその初期にいる若者は、中堅社員や経営側の人々とは大きく異なった状況に置かれています。今回のインタビューの中では、仕事の報酬やメンバーとのかかわり方、組織内での立ち回り等に関する新しい試みが議題に上がりました。若者にとって、このような試みが「適応を要する課題」か「技術を要する課題」か、どちらにあたるのか今後も考えていく必要があると思いました。

インタビューの中でたびたび触れられていた、「自律分散型組織を目指した組織開発」というテーマがあります。これは、人材開発だけでは限界にきており、組織内のつながりをマネジメントしていく必要があるということを意味しています。従来型の組織の経営体制に対する若者の不満はメディア等で話題になりますが、これからの時代は経営者たちも若者たちが何に不満を持っているのかしっかりと考えなければならないでしょう。

一方で、若者たちにとっては、新しく柔軟な組織に入りたいと思っているにもかかわらず、そのような組織を見極めることができないという困難があります。若者たちにとって、一つアドバイスできるとすれば、「今まさに変化しようとしている組織を探す」ことです。今の時代に完全な自律分散型を達成している組織は多くありません。すでに変化し終わったというように振る舞う組織は、もしかすると従来の枠組みから抜け出せていない証拠かもしれません。なぜならば、実は自律分散型組織は常に変化し続ける特徴があるからです。組織内のつながりを重視する自律分散型組織は新しいメンバーが加わるごとに自らの構造も緩やかに変化させます。若者たちにとっては、このような組織を探すことが柔軟で多様なキャリアを築くことにつながることでしょう。