<コラム>組織が抱える複雑な悩みの解決策とは?
この図は、社長さんや経営幹部の方々にアンケートをした際に出てきた悩みです。
簡単に言ってしまえば、どんな企業であっても、
「社内の人間関係が上手くいかず」
「部署間の対立があり」
「仕事は属人的で忙しく」
「自分の仕事以外に興味を向けず」
「部下育成にも時間を割けず」
「リーダーシップを発揮できる環境もない」
という問題が起こっている、ということです。
問題を解決しようと考えプロジェクトチームを作ったとしても、社内で対立が起きていることはもちろんのこと、基本的に全員が慌ただしく動いているため、
「余計なことはして欲しくない」
と思われ社内の協力が得られないというのが、よくあるパターンです。
仮に、社員を無理やり鼓舞してプロジェクトに参画させたとしても問題は解決することはありませんし、社員が積極的にプロジェクトに参画してくれたとしてもスムーズに問題が解決することは非常に稀です。
というのも、問題の原因が全く別の所にあることがほとんどだからです。
たとえば、「残業を減らす」プロジェクトを作ったとしましょう。
一見すると、残業を減らすことは、社員にとっても負担を減らすことになるからプロジェクトに積極的に協力してもらえるように思いますが、実際にはうまくいきません。
なぜなら、残業が増えている原因は、
「お客様の要望が多いから」かもしれませんし、
「売上げ目標を達成するため」かもしれませんので、
残業を減らすためには、
「サービスの質を落とす」
「売上げ目標を下げる」
「人員を増やす」
という解決策が出てきてしまい、「現実的には難しい」とあきらめてしまうことになります。
そして、社長は「せっかく社員の事を考えて残業を減らそうと思ったのに、誰も自分の思いをわかってくれない」と考えますし、社員は「また社長が思いつきで面倒なことを言い始めた。経営者は現場を全くわかってくれない。」と考えてしまい、社長と社員の間に対立が起こることもしばしばです。
かなり省略して説明してしまいましたが、多くの企業の社長や幹部の頭を悩ませていることは、問題を解決しようとすると別の問題が発生し、さらにその問題を解決しようとするとさらに別の問題が発生する・・・という堂々巡りから抜け出すことができないことなのです。
これらの問題を解決するためには、従来型の問題解決手法である「部分最適」では対処することが出来ません。そのため、“はたらく場デザイン論”を踏まえ、システム思考等の手法を使って、「全体最適」という視点から問題解決を目指して行かなければならないのです。