リーダーとは「幸せの専門家」〈”イノベーターシップ”シリーズ第3回〉
今、お互いが助け合わない不機嫌な職場が増えたり、心や体を壊す人も増えています。
ピーター・ドラッカーも指摘していますが、経営学では「人を動かすのがマネージャーの仕事」とされてきたけれども、そこには「何のために」という部分が欠落しています。
「部下を幸せにする」というメガネにかけ替えると、同じ部下なのに、部下のよいところや頑張っているところに気づきます。行動ばかりでなく、どんな気持ちでどんなことを考えているのか、部下の内面にも関心がいくようになるのです。
だからこそ、「うまくいってないな」「何かおかしいぞ」と感じているリーダーの方には、メガネをかけ替えてほしいのです。
では、いったいどのようなメガネにかけ替えるべきなのでしょうか?
一番大切なことは、組織が人の幸せのために貢献していくシステムになるよう、その機能をつくり、維持し、進化させていくことなのではないでしょうか。それは、組織が生み出すものが人を幸せにするということでもあるし、同時にその組織に参加する人たちが、一人で生きていくよりもこの組織で生きていくほうが幸せだと感じられるということではないでしょうか。
そのカギになるのが「リレーションシップ」です。集団志向でも個人志向でもない、お互いが連動して仕事を成功に導くように支援し合う「関係志向のマネジメント」が求められています。
「人と人とがつながる力」を最大限発揮できるようにする、これが今の状況に合ったマネジメントだと考えています。