「仕事」のアンラーン、リラーン~ワーカーズ・コープ法の成立を受けて


地域子育ちフォーラム2021~子どもの未来と協同労働
-ワーカーズコープ法の成立を受けて-へ出席。


今回は、全国から700名の事業者が参加。
既にこんなにも多くのワーカーズの方々がいることに驚く。

全国各地の地域に寄り添い自ら仕事を創り出すワーカーズの方々。ワーカーズ・けやきの杜(仙台)/ワーカーズ・登米/ワーカーズ・浦安。

そこに加えて、「スロー」の辻先生。
大学時代に一度ご一緒させていただいた「スローフード」の島村菜津さん

本当に必要な仕事は何か―

皆で「仕事」の定義をUn-learn(学びほぐし)の時間。

キーワードは「あいだ」

先ずは自分の居場所から。
その居場所(他者との関係性)から「あいだ」が生まれる。
あいだから、ひとに(地域社会に)必要とされる仕事が生まれる。

■「教育」の話から「種苗法」「細菌」「ウイルス」の話へ

種。それ自体が育っていく― 
そこから、種をとって、また種をまく。
食べて、排泄し、土にもどっていく。
そこに、種をまいて、種が育っていく―

これが、一番の教育。


ジョン・デューイ(米・哲学者)が説く子どもたちの“労働”の重要さ、「協同労働」そして「自治自労」にも触れて―

学生たちと一緒に、焚火したこと。パーティーをしたこと。田植えをしたこと。
これ以上の教育的価値を与えられなかった―
30年間の教育現場を振り返って、こう話す、辻先生。

2020年―秋葉神社を舞台に見た光景が頭に浮かんだ。

子どもも大人も関係ない―共にはたらく。自ら仕事を創り出す。
人と自然との間、人と人との間、に生まれた皆のワクワク―場から生まれる必要とされる仕事。

人体の 細胞の数:およそ40兆個  / 細菌(微生物)の数:100兆個を超える

自分だと思っている自分の身体だけど、
自分の細胞以上に、他の細菌の働きがあって、
自分(と思っている)が存在している。

どっからどこまでが自分で、
どっからどこまでが相手か。

「あいだ」としての自分、から「仕事」を考え直してはどうだろうか。

■「シェア」と「フェア」を伝えたい。

基本にあるのはギフトではなくて、「シェア」。

シェアは、単にものやサービスを分かち合うことでない。
空間や時間を共にする、自分を一つのプロセス=「あいだ」に身を置くこと。


そして、シェアには、自分の権威を高めない配慮が大切だという。
フェア」であること。
「あいだ」に身を置く際には、確固たる自分でなく、自分を括弧に入れること。

大人が子どもとプロセスごっこをする時―
大人は敢えて腰を下げたりして子どもたちに目線を落とした姿勢を取ったりするでしょう。

平等とか、正しさとか、ではなくて「フェア―公正さ」


「所有」から『シェア』へ―「セパレーション」から『リレーション』へ。

■「ワーカーズ・コープ」の基本原理「意見反映-話し合い」

皆でお金を出し合いましょう。
皆で話し合って物事を決めていきましょう。
皆ではたらきましょう。

下記の通り法制化された。

定款において「どのように意見反映を行うか」を明記する必要がある。(法29条)
総会において、理事は「どのように意見反映を行ったか」を報告義務を負う。(法66条)

空間と時間をシェアし
「話し合い=あいだ」に重きを置き
何がフェアか落としどころを確かめ合う。

自分と相手の意見が違う。違いからリレーションが始まる。

この意見反映は、時間がかかるもの。

今回のパネリストの三者、皆さん口を揃えて言うが、その「あいだ」も楽しんでいる様子。

スロー。


話すことが苦手な人もいる。
時間とか空間をシェアしている、それだけでもよいのではないか。
その「あいだ」に勇気をもって進み入る。
居場所が出来る。
その居場所(自分とは異なる者との関係性)から「あいだ」が生まれ、「おかげさま」「おたがいさま」の本当に必要とされる生きた仕事が創造されるのではないだろうか。

シェア。フェア。スロー(つながり)。

ワーカーズ・コープ法の成立を受けて、
自分起点、自分たち起点、そして、地域起点で、本当に必要とされる仕事について
アンラーニング、そして、リラーニング。

仲間と学びと実践を繰り返していければと思います。

▼ワーカーズ・コープ法 の設立・運営のポイントはこちらにまとめていきます。▼
https://www.jinji-roumu.com/workers-coop.html