2024年の法改正情報
前回、労働基準法に関する法改正について、お伝えしましたが、今回は、労働基準法以外の主な法改正についてご紹介いたします。
前回の記事:「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」▼
障害者雇用促進法
❶障害者法定雇用率の段階的な引き上げ
従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を法定雇用率以上にする義務があります。
令和5年度は2.3%に据え置き、令和6年度から段階的に引き上げられることになりました。令和6年4月1日以降は2.5%となったため、従業員数40人以上の企業は1人以上の障害者を雇用する必要が生じることになりました。
令和6年度4月1日以降の改正に伴い、❶障害者雇用状況報告《毎年6月1日現在の状況を報告》を提出する義務、および障害者雇用推進者を選任する努力義務が生じることになりましたので、注意が必要です。
❷特定短時間労働者の実雇用率への算定
令和6年4月1日以降、週所定労働時間10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者である特定短時間労働者は1人につき0.5人として実雇用率の算定に反映されることになりました。
❸障害者雇用調整金・障害者雇用報奨金の支給調整
障害者雇用納付金制度は常用労働者の総数が100人を超える事業主において障害者法定雇用率が未達成の事業主に納付金を徴収します。
障害者雇用納付金を財源として法定雇用率を超えて障害者を雇用する事業主に対して、『障害者雇用調整金』および『障害者雇用報奨金』が支給されています。
※『障害者雇用調整金』は常用労働者の総数が100人超える事業主
※『障害者雇用報奨金』は常用労働者の総数が100人以下の事業主で各月の雇用障害者数の年度間合計数が一定数を超えて障害者を雇用している
令和6年4月1日以降、調整金および報奨金について、支給対象人数が一定数以上の場合には、下記のとおり支給額が減額調整されますのでご注意ください。
※『障害者雇用納付金』
常時労働者数が100人超える事業主で法定雇用率を未達成の場合は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて1人につき月額50,000円を納付しなければならない『障害者納付金』の金額に変更はありません。
障害者差別解消法
令和6年4月1日から、事業者の障害者への『合理的配慮の提供』が義務化されました。
※改正以前:努力義務
※障害者差別解消法は役所や事業者に対して障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応することを求めています。
※下線部分には手話・点字・拡大文字・筆談・身振り、手振りの合図が含まれます。
※通訳・障害のある人の家族、支援者、介助者、法定代理人など、障害のある人のコミュニケーションを支援する人のサポートにより本人の意思が伝えられることが含まれます。