全体最適とは


先日弊社のES体感合宿セミナーにてTOCの考えに触れる機会がありました。

TOCとはゴールの達成を妨げる制約条件(Constraints)に注目し、企業内共通の目標を識別し改善を進める事によって企業業績に急速な改善をもたらすという経営管理手法のこと。

TOCの開発者であるエリヤフ・M・ゴールドラット博士は

「工場の生産性はボトルネック工程の能力以上は絶対に向上しない」

という原理を提唱しました。

工場の生産性を上げるためにネック工程に同期させる生産を行い、
資材調達もネック工程に同期させるようにした結果、
生産性が飛躍的に高まり、仕掛りや在庫が劇的に減少する事を実証し、それをTOCとして普及していったのです。

これは、製造業での話ですが考え方としては、製造業以外でもチームで行う業務にも共通する考えのように思います。

私自身、仕事を行う中で自分の仕事(として捉えている仕事)だけに注力していると、チーム内で問題が起きていることに気付けずにいたりします。

仕事をする上で一人で解決することは殆どなく、気づけば色々な人の手や知識を借りながら進めていることが多いことにふと気付く時があります。

その色々な人から借りている手を逆に自然と差し伸べられるように出来たらと思いますが、それにもまた気付くだけでなく、自分のスキルも上げていく必要もあります。

ただそれも自分の仕事もままならないまま、メンバーへの協力ばかりしていても、また制約条件(ボトルネック)を生みます。

チームの中には色々な人材がおり、各々得意とすることや個人の目標としていることは異なりますが、最終的な目標はチームとしては同じところに共通の目標があります。

日常の仕事に集中しすぎても、共通の目標が見えなくなり、バランスが大切だなと思うわけですが中々そのバランスの難しさも感じる今日この頃。

チーム内での共通目標を認識するとともに、チームのメンバー各々が今どのような状況かを双方で知る事が必要で、その中で各々が判断基準をもって行動していける(自分の業務だけでなく補い合うような行動を取る)状態が、チームとしてのパフォーマンスの高い状態だと感じます。

TOC理論では一人のリーダーが牽引していくチームではなく、個々が力を合わせ、気づき→判断→行動を繰り返していくことの重要です。

個人とチームへの意識が高い状態に至るには、個人一人一人の意識と他者への意識とどちらに向けての意識も集中力の高い状態が必要になるということです。

弊社で取り組んでいる<ハピネス5>の中に「日々のチャレンジング目標」というツールがありますが、
その中で個々のメンバーが4半期ごとの目標に対して日々の目標と業務スケジュールを共有しており、
その中でも「メンバーに助けてほしいこと」などの項目があります。

まさにこの助けてほしいことに対して、都度声を上げずともタイムリーに行動していけるチームは、変化に強く、共通の目標に向けて歩み進んでいくことができるのです。

また全体最適を目指したチーム作りに向けても、日々実践しながら学んで行きたいと思います。

ちなみにTOC理論について書かれたエリヤフ・M・ゴールドラット博士の「The Goal」はコミック版もございますので読み応えのある書籍は中々…という方にもオススメです。