ココ・ファーム・ワイナリーに学ぶ、持続可能な“寄り添う”経営


日光徒歩行軍の最終日。
スパークリングワインで乾杯から始まった日光東照宮でのご講演。

日光東照宮へ、ココ・ファーム・ワイナリーの池上専務をお招きし、お話頂きました。

ココファームのぶどう畑は本当に急な斜面にあり、その頂上からは足利のまちが一望できます。

学校の教室の隅では言葉を発さず物静かな子供たち。
その子供たちの青空の下では生き生きと歌い遊ぶ。
1950年代、知的な障害をもつ若者たちのそんな姿を見て、この子供たちにも生き生きと活きる場をと始まったのがココファームでした。

沖縄や洞爺湖サミット、今年開催されたG7の会合でも、日本が世界各国の要人をもてなすのに用いられるココワイン。

日本が世界に誇るワインを楽しみながらのこの度のご講演は、来場者の優しく熱い思いを引き出し、時間が足りなくなるほどに多くのご質問が出ていました。

ご講演の中で繰り返し耳にした「寄り添う」という言葉。

「自然に寄り添う」「人に寄り添う」
「人間」が在って仕事が在る

一つ一つの商品にストーリーがあるココワイン。
「マタヤローネ」という名前のワインがあり、「またやろうねぇ」という言葉から来ています。
4日間程箱詰め作業が続き、その作業がやっと終わり、もうしばらくこの作業をしなくても良いとスタッフが一つ肩の荷を降ろしたとき、「またやろうねぇ」と一人の若者が言ったのだそう。この若者にとって、やってもやっても終わらないようなこの箱詰め作業が、自分の力を発揮できる、とても楽しいことだったのです。

この若者たちに寄り添い、この若者たちがいたからこそワイン作りという仕事が生まれ、また、世界中を廻り適地適品種を実現しています。

今在る大半のはたらくカタチは、仕事が在り人が仕事に合わせはたらくようなカタチ。

池上専務の話す言葉たちと、私たちが日頃使う言葉との重なりに少々驚くとともに、時代の流れを改めて学んだ私たち。

この「寄り添う」姿勢こそが、国を越えて共感を生み、世界に賞賛される企業のカタチなのだろうと感じました。

また、ココファームのワインは、様々な品種のぶどうをブレンドして作られます。
一つのぶどうから作るよりも、そのプロセスは手間も時間もかかるが、複雑でマイルドな味にあるのだそう。

私は、そこに、コミュニティ経営を推し進める上での基本となる姿勢をみました。
多様な人材が集まることの出来る、優しい場を整えることに注力することで、その土壌からは、最高の価値が生みだされる。

初めてご連絡、その後のお打合せ、メンバーとのご訪問等、その度に、ココ・ファーム・ワイナリーそして池上専務の優しいお心を感じる機会を重ねてきましたが、
この度のご講演を通して、多様な方が生きる場を整え続ける、強い意志力までも感じるのでした。

―ココ・ファーム・ワイナリーに学ぶ、社会貢献と美味しいワインの2色が織り成す持続可能な経営―
私たちも、試行錯誤、次の世代の傍を楽に出来るよう、自然に寄り添う「農」という優しい色を織り交ぜながら、持続可能な経営を実現し、発信していきたいと思う。