大ちゃんのわくわくワーク!第7回ゲスト:株式会社ヒューマン・コメディ 代表取締役 三宅 晶子 氏


大ちゃんのわくわくワーク!(エフエムこしがや第4月曜日22:30から放送中)第7回目のゲストは、非行歴や犯罪歴のある人の社会復帰を支援する株式会社ヒューマン・コメディの三宅社長にお越しいただきました。

三宅さんは、非行歴・犯罪歴のある、社会復帰しづらい人たちが、社会の役に立てるよう、就職支援をしています。そのきっかけは、三宅さんが身元引受人として、今も一緒に暮らしている、当時17歳のある女の子の存在がありました。

三宅さんは、2014年に大企業を退社後、教育か人財育成の道に進みたいと考えており、せっかくなら極端な世界が見てみたいかと思い立ち、児童養護施設や受刑者支援施設を訪問する日々を送っていました。そんなときに出会ったのが前述の女の子。ある施設で出会い、その後少年院に入り、そこから手紙が届いたのでした。彼女は両親がいるにもかかわらず、十五年以上も施設で過ごしてきた子で、腕にはリストカットのあとがありました。三宅さんは彼女からの手紙を見て、彼女の身元引受人になり一緒に生活することを決めます。

彼女を受け入れる環境について考えていたときに、少年院・刑務所等出身者を支援する事業をおこし、彼女を雇用すれば、その背景を隠さずとも生きていけるという思いから、株式会社ヒューマン・コメディを設立しました。

株式会社ヒューマン・コメディに頼ってくる人は、想像以上に様々な背景、過去を抱えている人が多い。殺人や強盗、薬物使用など、本当に様々。多くの場合は、「作業的」な感覚で関わっているケースが多いといいます。親戚や、周りの大人に協力したり、その大人から強い影響を受けている場合がほとんどで、接してみると、本人はいたって普通の真面目な人ということも少なくないのだといいます。

ただやはり、そう言っても、受入れる企業の立場で考えると、色々と考えさせられてしまう。業種によっては、そもそも雇用できない企業もあるし、業界も限定されてくる。それでも、三宅さんのおもい、構想に賛同し、受入れてくれる柔軟な企業も増えてきています。

登記してから1年4ヶ月、人財第1号の就労が決まりました。就労してから少し経ったある日、その第1号の就労先から電話があり、「彼は、ヒューマン・コメディの第一号だってことが、自分の誇りだって。だから自分は絶対にコケるわけにはいかないって言って、頑張ってるんだよ」と。三宅さんは、電話を受けた新宿のど真ん中で号泣し、そのときに、「もうブレない」。「なんとしても軌道に乗せる」と思ったといいます。

彼ら、彼女らは、もともと家族がいなかったり、家族がいても施設での生活を余儀なくされていたり、入所をきっかけに家族との縁が切れてしまっている人が多い。彼ら彼女らにとって、会社は、単に雇用する、働かせる、労働力、という関係性ではなく、家族のように、社会に役立つ人財として育てる、大切な役割を担っています。中には、どんなに心を込めて尽くしても、LINE1本でやめてしまったり、連絡もつかなくなってしまう人も多いといいますが、仕事を持つ人と無職のままでいる人では、再犯率は大きく異なる。ちゃんと見ていてくれる大人が側にいること、甘さだけでなく厳しくしてくれる大人がいるということは、彼ら彼女らの人生に大きく影響してきます。

また、そんな彼らが、自分と同じような境遇の人を育て、社会に役に立てるように成長していく、そんな社会全体の仕組みをつくっていきたいという。実際に、今受入れている企業の多くも、犯罪歴のある人や非行歴のある人を雇った実績があったり、また経営者自身がそのような境遇にあったという会社が多いといいます。

今、株式会社ヒューマン・コメディでは、日本初の、出所者向けの求人誌を作成している。掲載料は30,000円で、現在10数社の企業が掲載している。中には、不許可罪状の記載があるなど、一般的な求人誌とは一線を画していますが、きっとこの求人誌をきっかけに、家族のような会社と出会い、新しく一歩を踏み出すきっかけとなっていくことでしょう。