大ちゃんのわくわくワーク!第6回ゲスト:(NPO法人)日本フードコーディネーター協会 杉浦専務


大ちゃんのわくわくワーク!(エフエムこしがや第4月曜日22:30から放送中)第6回目のゲストは、食と農に関するエコシステム全体をつなげる役割である、日本フードコーディネーター協会の杉浦専務にお越しいただきました。

「いままで食べた中で一番美味しかった食べ物は何でしょうか?」

「結局は、誰かと一緒に食べる食事が一番おいしいですね。」

これまで色々と美味しいものを食べられてきた杉浦専務が発した、予想外な答え。意外なひと言でしたが、ラジオの収録が進むにつれて、杉浦専務の人柄や日本フードコーディネーター協会のあり方を知り、その言葉に納得しました。

農と食をコーディネートする立場として、農家さんには、どんな暮らしをしている人に使ってもらう野菜なのかをもっと考えて欲しいといいます。それと同時に、農業生産をしながら世の中の変化を視るのは難しいため、本来、その情報を共有すべきなのは、JAや卸業者だといい、まだまだそこまで及んでいる団体、組織は少ないのが実態です。

しかし、市場が激しく変化していく中で、生産者自らも変化していかないと、気がついたときには取り残されてしまいます。

かくいう日本フードコーディネーター協会も同じ意識を持っていて、新しくインスタ世代を意識した講座をはじめたそうです。フードスタイリングの知識と、写真の技術をミックスし、それぞれのプロが教えるという新しい試み。この講座、開催を発表すると即満席になりました。インスタ世代と言われる若い人たちにももっと関心を持ってもらいたいという考えから、この人たちにどのように遡及できるかを突き詰めた結果、この人気講座が生まれました。

また、今人気のパクチーもしかり。元々中華料理で使われいて、「チャンツァイ」と呼ばれていました。別に、パクチーそのものは決して目新しいものではありません。しかし、東南アジアに旅に出る若者が増えてきた影響からか、いつの間にか呼び名は「チャンツァイ」から「パクチー」となり、ご存知の通り、大流行。10年前に“パクチー”が流行る!といち早く生産を始めた農家さんは、今とても良い流れができていることでしょう。

農家さんも「次代のニーズを捉える」ことが大切。でもやっぱり、周りの助けなく、農家さんだけでその情報を得るのは難しい。だからこそ、農と食のエコシステム全体をコーディネートする、フードコーディネーターが必要なのですね。

消費者個人として、もはや食は単なる栄養補給ではなく、コミュニケーションの場として、大切なものになっています。また会社および会社ではたらく個人としても、ココロとカラダの健康というカタチで、多忙で多様な現代に欠かせなくなっています。

大企業の伊藤忠商事では、残業をなくし朝早く会社にくることを奨励するため、3、4年前に朝早く来た社員には「朝食」を提供し始めました。特に、若い社員は朝ご飯を食べてこない人も多いため、単純に残業を減らすだけでなく、社員の健康向上の意味でも一役買っています。

横浜の準工業地帯に会社を構える株式会社スリーハイでも、男性の多い職場で偏った食事ばかりの社員が多く、午前中ふらふらしながら働いている状況を改善するために、新鮮で美味しいお米を農家さんから直接仕入れてごはんを社員に提供する「ライスバー」をはじめ、成果を上げています。


まさに、健康経営。栄養やコミュニケーションなど、無くしてしまった足りていないものを取り戻すために、食はいま、注目を集めています。

私たち消費者もふくめ、生産者である農家さんから「食」を通してつながっている。でも、今の食卓は、なかなかそう感じられなくなってしまっている。だからこそ、農と食のエコシステム全体をつなぐ役割を担うフードコーディネーターは、社会からより一層求められる仕事になるだろう。