お金を目的化しない、ALL WINな働き方
NPO法人フェアスタートサポート 代表理事 永岡鉄平氏
ー市場性はあるが、即お金にならない分野で事業をまわすにはALLWINの考え方を実践せよー
株式会社フェアスタートを運営されている永岡代表。
児童養護施設にいる若者たちを中心に、18歳という年齢で親を頼れず、社会で自立して生きていく宿命を持った若者を専門に就労支援を行われている。
何故、事業がまわるのか?不思議に思われる方が多いという。
そこで、その秘訣についてお伺いした。
・自らの欲を志に変換するために実践している考え方
意識していることがあるといえば、1つ1つの行動を落としていく上で、『その行動するのは、いったい誰のためか?』常に考えるようにしています。
「ちゃんと人のためになっているか?自分の中で筋が通っているのであるのか。」考えるようにしている。人間って自分のためにってなると結果的に怠ける。
「これをすると誰かのためになるとわかれば、基本的にやりたくなるもの」だと認識していますので、そこを意識しています。
・市場性はあるのだけれども即お金になるわけじゃない分野で上手く持続的な事業を回すためには何をしたら良い?
そこに至るには、オールウィンにつながっていきます。
そこに関わる人たちが全員満足するという形になれば、事業は持続します。
施設の若者たちの就職を企業に繋いで、企業から手数料を頂く。
これが成り立つんですか?といろんな方に不思議に思われるんですが、日本社会の現状を見ていけば、少子化の流れがあり、なかなか採用できなくて困っている。事業のプロセスを通して、解決していく。
若者からすれば、良い就職先を巡り逢えてよかった。
企業もそれに対して実は負担だったではなくて、育てがいのある若者が採用できてよかった。と双方が満足できている。
それに対して企業がお礼を下さって、「これからも事業を頑張ってくださいね。」
と。それがあることで、事業を継続させるための糧を得られる。
関わる誰もが満足していく。
これを実現できれば、事業は継続できるし、お金も後からついてくる。
・これからは人を選べなくなる。
ビジネスライクな話をすると、少子化の流れがまだまだ続き、就職した若者一人一人の精度の高い就職の定着が問われていくと思う。
これまでは、人が選べる状況であれば、「やめてしまっても仕方ない。次は新しい人を取ろう。」と。今まではそれでよかったかもしれないが、これからはそうはいかなくなる。
いろんな企業は、若者がどうしたらやめたくなるのか?とか、どういうことが喜びにつながるかとか。多くの企業が知りたいし、研究したい部分だと思うんですね。
若者のその後の過程を追っていくと、その辺が見えてくる。
そこの経験を蓄積していけば、企業にノウハウや知恵をご提供していけるので、もしかしたら事業になるかもしれませんね。
お話をお伺いする中で、常に社会全体の流れ(問題)に対して、陣取りを行っていることがわかる。三方良しの考え方を実践されていることもお分かりいただけるだろう。